御客屋グループの視察研修(26年7月)
お知らせ
2026年7月9日(木)、御客屋グループでは18名のスタッフが参加し、日頃お客様にご提供している食材や道具の「つくり手」を訪ねる研修を実施しました。
今回は通常の旅館内の研修ではなく、福岡県八女市から熊本県南関町まで各現地を視察するフィールドワーク研修でした。

テーブルの上に並ぶ一杯のお茶、一滴の酢、一膳の箸。その背景にある土地の風土や、つくり手の想いを自分の目と舌で確かめることが、今回の目的です。



(1)八女中央大茶園(福岡県八女市)
最初に訪れたのは、福岡県八女市の茶畑。見渡す限り緑の畝が連なる茶園を遠目から見学し、茶葉が育つ環境を体感しました。
御客屋では2026年6月より、八女市黒木町の井手製茶工場から御客屋に合う玄米茶・煎茶・ほうじ茶を新たに導入しています。




研修翌日の7月10日には、御客屋に井手さんをお迎えし、3種のお茶についてじっくり学ぶワークショップもおこないましたので、今回の茶園訪問はその「予習」の意味合いも兼ねていました。畑から仕上げまで、手塩にかけてつくられるお茶の一杯を、より深い理解とともにお客様へお出しできそうです。
(7月10日の研修のようす)



(2)庄分酢(福岡県大川市)
続いて向かったのは、江戸時代から300年続く酢の蔵元・庄分酢。「酢蔵ツーリズム」では、大川の気候風土に育まれた静置発酵の酢造りにふれ、蔵の守り神のような「蔵付き菌」が醸す味わい深さを学びました。
もとは酒蔵だったものが、四代目の代で火落ちをきっかけに酢蔵へと転じ、そこから15代・300年続く蔵となったという歴史の転機に、強く心を動かされました。








同蔵が営む「酢リストランテSHOUBUN」では、築260年の町屋2階をリノベーションした空間で、ビネガーランチコースをいただきました。
コースは文字通り酢を主役にした料理の数々でしたが、一皿ごとに酢の表情が異なり、最後まで飽きることなく楽しめました。酸味がしっかり効いているのに後味は驚くほど爽やかで、健康的でありながら満足感のある食事となりました。






蔵に併設されたショップでは種類豊富な酢や加工品が並び、スタッフそれぞれが自分用やお土産用に両手いっぱいの買い物をしていました。
単なる見学にとどまらない、実感を伴った学びの時間となりました。





(3)ヤマチク(熊本県南関町)
最後に訪れたのは、熊本県南関町の竹箸メーカー・ヤマチク。ファクトリーショップ「拝啓」では、御客屋とのコラボレーションプロジェクト「朝食・箸」についても理解を深めました。このプロジェクトは、竹箸生産に欠かせない全ての関係者へ利益を適正に分配し、次の生産の備えとする仕組みです。
研修では、竹の切り出しから最後の検品まで、多くの工程を職人が手作業で仕上げる様子に、「お箸はすぐできるものだと思っていた」という認識を覆されたスタッフも。
作業の手を止めてまで丁寧に質問へ答えてくださる姿勢に、ものづくりへの誇りと、それを伝えようとする熱意を感じました。







店内には、日々の食卓で使いたくなる竹箸や竹製品の数々が並んでおり、こちらでも思わず時間を忘れて選んでしまうほど。
手に取るたびに軽さや馴染みの良さを実感し、スタッフそれぞれがお気に入りの一膳を見つけて持ち帰ったようです。


研修を通じて3社に共通していたのは、商品を売るだけでなく、そこに込めた想いや技術、魅力までを丁寧に伝える姿勢。そして、それぞれの土地に根づいたやり方を守りながら、今の時代に合わせて柔軟に変化し続けてきた歴史でした。
わたしたちも翻って御客屋の歴史や強みを問い直しながら、一杯のお茶に、一滴の酢に、一膳の箸に込められたつくり手の想いを、確かな言葉としてお客様にお伝えしてまいります。

