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お知らせ

御客屋グループの社内研修

お知らせ

7月25日に全施設の休館をいただき、御客屋グループ全体で社内研修を行いました。

株式会社ZOWPROの鷺山さんのアテンドのもと、午前中は自社農園や田んぼの見学をし、午後からは「そ /s/ KAWAHIGASHI」オーナーでありカリナリーディレクターの中東篤志さんと、小国郷でジビエ肉の解体から生肉販売までを手がける時さん自然恵(ジビエ)の時松隆二さんを講師にした講義と、丸一日かけておこなうカリキュラムでした。

江戸時代中期、凡そ300年前から歴史がはじまり、半農半宿の営みを続けている御客屋には、旅館のお仕事を兼ねながら自社農園や田んぼに従事するスタッフがいます。

彼らは「畑チーム」と呼ばれていて、農薬を極力使わない有機農業で作物を育てており、その野菜は旅館や飲食店で使われています。

午前中はスタッフ皆で自社農園に行き、畑チームのお仕事現場を見学しました。最初に林の中を歩いて水路を見に行きます。

野菜や田んぼの米を育てるためにはかならず水が必要です。黒川温泉は筑後川の源流域であり、ミネラルを含む澄んだ水が湧き出しています。

御客屋では地元農家さんと長さ数kmの水路を作ってその源流水を田んぼや畑にひいています。

水路から田んぼや畑の見学、そして新たな企画を検討している農地の視察など、場所を変えて今の御客屋の取り組みについて、未来の御客屋の構想について代表からお話がありました。

畑にはちょうど夏野菜のトマトやナス、ブルーベリー、唐辛子に鷹の爪、バジルやヤングコーンなどみずみずしい旬の野菜が育っており、皆で手分けしてちょっとずつ収穫しました。

その場で食べる野菜のおいしいことといったら。

普段旅館から外にほとんど出ないスタッフたちが青空の下、前のめりになって野菜を収穫していました。

お昼は「予祝」に戻って昼食のハヤシライスです。御客屋の代表が愛情たっぷりかけてつくったあか牛&自家農園+小国郷の野菜で作ったハヤシライスと、サラダにお漬物と冷たいお茶。

汗をかいたあとには最高のご褒美です。

午後の始まりは座学から。まずは代表からの挨拶のあと、午前中のおさらいとして「畑チーム」3人からどんな思いでどのような種類の野菜を育てているかのお話がありました。

次に本日のメインである中東さんと時松さんのクロストーク講義。

なぜ時松さんがジビエの解体・販売事業を始めたのか。

料理人だったころ、当時主流だったジビエの仕込みや調理法に疑問をもったことがきっかけで、もっと美味しくて良い状態でお肉を提供するには自分でやるしかないと一念発起し、事業を立ち上げるに至りました。

その想いを受ける形で、中東さんの経験や業界全体の視点からのお話があり、二人の対話が盛り上がりました。

一見フロントやサービスの担当スタッフからすると接遇に関する研修のほうが学びがある気もするのですが、二人の生き様や熱い使命感、食という領域の可能性、それを軸に据えて事業展開を図る御客屋グループの強い意思を、おのおのが自分たちの目線で感じたのではないでしょうか。

研修を超えた皆の想いが一つになる空気が醸成された深い1時間でした。

その熱い気持ちが冷めやらぬまま、最後にスタッフが3つのチームに分かれてワークショップを行いました。

テーマは、「今までにない新たな御客屋の一泊2食プラン」の提案と発表です。

朝からずっとインプットが続き頭と体がフル回転していましたので、それらを一気に吐き出すべくチームごとに議論は続きました。

三者三様、研修で学んだことを早速取り入れて、完成度の高いプランがアウトプットされました。

夕食は、講師の中東さん、時松さんが作るジビエ料理と、これから予祝の新メニューとなる里山の食材を活かした手巻き寿司という超豪華なメニュー。

スタッフや講師みんなで食べて心も体も充実した研修が無事に終了しました。

黒川の最も老舗である御客屋が、300年という長い歴史のなかで培ってきたおもてなしの力が事業の土台としてあり、その上に、今回の研修で学んだ”自然環境、地域の食文化、食材と料理”など、里山ならではの食の価値が重なることによって、御客屋グループが追求している”田畑を耕し、山を手入れしながら温泉宿を営む「半農半宿」というスタイル”が名実ともに実現するのだという確信にいたりました。

代表の北里には、今回の社内研修は”与えられたマニュアルではなく自分たちが感じたことを仕事にいかしてほしい”という狙いがありましたが、スタッフにはその想いが伝わったのではないかと感じています。

今後も定期的にこのような研修を実施して、御客屋グループのさらなる発展を目指します。

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